私が好きな立派な樹 プラタナス(モミジバスズカケノキ)

市川小学校の「プラタナス(モミジバスズカケノキ)」

 樹木医による「私の好きな木」のリレーエッセイ2回目は、市川小学校の「プラタナス(モミジバスズカケノキ)」 幹周:380cm

 日本樹木医会へのお問い合わせよりお話があった市川小のプラタナス。6年1組担任の宗川先生より「本校が150周年を迎えたことをきっかけに、市川小の誇りを後輩たちに伝えたいという課題を持ち、6年1組のグループが、本校のシンボルツリーであるプラタナスの木について調べています。本やインターネットで調べるだけではなく、自分たちで聞いたり、体験したり、作ったりといった生きた情報を大切にしながら活動をしようと声をかけていたので、この度のM樹木医との関わりがとても貴重な機会になります。」とのご依頼でしたので・・・少し資料を作ろうと調べた所で、このプラタナスに魅了されました。記録も全て残っており植栽樹齢:111年 (大正2年(1913)~令和6年(2024))植栽前の5年程度を加味すると116歳、もっと興味深いのは75年前の昭和24年にプラタナスが倒木(キティ台風)している記録ものこっている事です。もう1本校庭内のイチヨウの記録も残っており108歳と大事にされてきた木々達です。

 私は地元の人間でありながら「市川小のプラタナス」の存在を知りませんでした。この「市川小のプラタナス」を知るまでは、私の中の千葉県内のプラタナスNo.1は「青葉の森公園のプラタナス」でしたが・・・何と新宿御苑のモミジバスズカケノキの育成用の苗木による兄弟の可能性も・・・樹木にはロマンがありますねぇ。

 江戸川が流れる地下水位の高い場所であり、グランドのほぼ中央に鎮座し踏圧にも耐え、なおも生きようと頑張っている姿は正にNo.1です。

 2時間授業の構成だったり、給食を生徒と一緒に頂いたり、発表会に招待されゲストとして呼んで頂いたりと「市川小のプラタナス」が結び付けてくれた御縁だと思っております。これからも、沢山の子供たちの旅立ちを見送ってくれる事でしょう。                          

樹木医 Y・M